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2025.09.08 お知らせ

山岳トンネル用プレキャスト覆工の現場での適用実証について

 当社と戸田建設殿、西松建設殿の3社はこのほど、共同開発した山岳トンネル用プレキャスト(PCa)覆工コンクリートによる2車線規模の実大施工実験を行い、実現場に適用できることを実証したと発表した。現場打ちの覆工コンクリートに比べて品質や安全性、生産性が向上する。3社は今後、実現場への適用を進め、さらなる改良に取り組んでいくとしている。
 幅1㍍のトンネル断面リングを3分割したPCa部材を製作し、坑外に設置した架台に2リング分、継手位置が千鳥配置になるように組み立てて設置場所まで運搬する。組立作業を坑外の広い空間で行うため、安全に施工ができるうえに、架台の中央部には重機やダンプトラックが通行できる空間を確保しているため、掘削と同時に施工が可能。2018年に内空幅3㍍規模の模擬実験で技術の成立性を確認し、土木研究所との共同研究を通じて従来の現場打ち覆工と同等の耐荷力を有することを確認している。
 今回の実験はエムケーエンジニアリング分校工場(石川県加賀市)で実施。2車線規模のプレキャスト覆工を4リング分使用し、組立から移動、連結までの一連の作業を行い、すべての作業を安全かつ円滑に行えることを確認した。実験には発注機関や研究機関などから約30人が参加し、実験の模様を視察している。
 3社の試算ではPCa化により施工速度が約1・5倍となり、大幅な工期短縮につながるという。また、現場打ちで懸念される天端部の巻厚不足や締固め不足、覆工コンクリート打設用のアーチ状特殊型枠(セントル)の押し付けによる打継部付近のひび割れや剥離が発生せず、狭いセントル内での苦渋作業がなくなるため、安全性も向上する。
 山岳トンネルの覆工コンクリート工事は、新設で年間100件以上の工事があり、今後、更新なども必要になることから継続的な需要が期待される一方で、吹き付けコンクリートとセントルの間の狭隘な空間にコンクリートを打設する作業であり、品質や作業環境の面から課題があった。3社はPCa化により品質向上や作業環境の改善・効率化を図るために検討を進めており、18年に模擬覆工を用いて組み立てや運搬、設置に至る一連の施工方法に対する妥当性を確認したほか、土木研究所との共同研究を行って耐荷力の確認を進めてきた。

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