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  • プレキャスト背割板工法
プレキャスト背割板工法の概要

プレキャスト背割板工法は、敷設された1本の管渠を下図に示すようなプレキャストコンクリート板で左右に分割する工法です。道路が狭い所や、ガス管や水道管などの地下埋設物が競合しているところで、汚水管、雨水管の2本を布設することが難しい場合や、鉄道や河川の伏越し部(サイフォン)の管理が必要な場合の背割り壁として適用できます。

この背割壁を現場打ちコンクリートで施工する場合、狭い管内での型枠組立・解体作業のスペースや、背割壁の天端部コンクリート充填方法など様々な問題が考えられます。プレキャスト背割板は、JISおよび各工業会の認定を受けた工場で生産され、特殊台車により管路内に運搬・据付を行うことで、これらの問題を解決するとともに大幅な現場工期の短縮も可能にしました。

プレキャスト背割板工法の構造

管路とプレキャスト背割板の接続方法を下図に示します。頂板部は、あと施工アンカーにより設置されたアンカーホールにスチールコーンを接続し、このスチールコーンとプレキャスト背割板を接続します。底版部は、あと施工アンカーにより設置されたアンカーホールにアンカーボルトを設置し、現場打ちコンクリートを打設することにより、プレキャスト背割板との接続を行います。管軸方向は、高力ボルトによりプレキャスト板同士を接続します。

プレキャスト背割板工法構造図
プレキャスト背割板工法の特徴
工期の大幅な短縮

管路内での鉄筋工、型枠工、打設工の必要が無く、狭隘な現場内における作業員の安全を容易に確保できます。

安全性の向上

管路内での鉄筋工、型枠工、打設工の必要が無く、狭隘な現場内における作業員の安全を容易に確保できます。

高品質なコンクリート

品質管理の行き届いた工場製品なので、品質にバラツキが少なく、高強度でかつ水密性の高いコンクリートが得られます。現場打ちコンクリートの場合、上部にレイタンス層やジャンカが発生しやすいため品質確保が困難です。

流積断面の確保

現場打ちコンクリート壁に比べ部材厚が薄く、流積断面を大きくとることができます。

偏心も可能

背割板の設置位置は管路中央以外にも配置可能です。

プレキャスト背割板工法の施工方法

プレキャスト背割板工法の施工方法のうち、特殊台車による方法について説明します。まず、管路の頂版部および底版部にあと施工アンカーを打ち込み、頂版部にはスチールコーンを取り付けます。スチールコーンは背割板1枚当り2ヶ所程度とします。

その後、特殊台車を用いて背割板を管路内に搬入します。所定の位置まで搬入した背割板を頂版に押し付けるようにジャッキアップし、ライナープレートを背割版下部に挿入します。スチールコーンとプレキャスト背割板との空隙には、モルタルを注入します。その後、底版部のアンカーにアンカーボルトを取付け、インバートコンクリートを打設して、完成です。

施工アンカーとスチールコーンの設置

特殊台車による背割板の管路内搬入
背割板ジャッキアップ
インバートコンクリート打設